新聞配達員のブログ

関東の片隅で生きてるおっさん

昔の話3

札幌で専業していた頃は色々あった

配達体制が安定していなくて休みがまったく取れない中、集金に読者管理と今じゃ考えられないほど働いていた

当時の店長(のちに独立して所長さんになった)の口癖が「真面目に仕事してたら潰れるからね~適度に手抜いてね」だった

 

月寒あたりで働いていたのだけれど今でも時々思い出す一番忘れられない同僚がいた

入ったばかりの頃に俺に順路取りのイロハを教えてくれた坂田真一君だ(仮名)

パチンコ好き、小太り、薄らハゲ、前歯が溶けて無い、借金まみれ、絵にかいたような専業だった

坂田真一君はいつも遅刻していた

朝刊にまともに出てくることがないし、昼の出勤にも出てこない、携帯はいつも止められているので誰かが起こしに行かなければならない

本当にクズ中のクズ

よくも解雇にならないなと思うかもしれないけど、これが当時の店の状態だった

今俺のいる店なら試用期間で解雇だろう

 

この坂田真一君

集金に入ると大体週末はパチンコ屋に入りびたりだった

当然、他の専業より達成率が低くいつも店長に詰められていたがヘラヘラと笑いながら頭を下げていた

パチンコに負けると集金した金を使い込んでしまい納金できないから借金して穴埋めしていた

借金といっても金融機関からじゃなくて他の従業員からしていた(店長クラス)

何故こんなのに貸すのかというと飛ばれると困るからだそうだ

30万くらいまでなら貸しておいて給料から死なない程度に天引きして生かさず殺さず配達させたほうが店にとっては得なのだ

ちなみに給料は手渡しで坂田君の給料袋はいつも渡す前に封が開けられていた

 

そんな坂田君にも別れの時は来た

俺は店長になって他の系列店にいたんだけど巨人戦の野球チケットがまだプレミアだった当時、拡張で使ったチケット代と集金したお金を合わせて70万ほどとスーパーカブに乗ったままある日飛んだ

さすがに店は事件化したので彼はもう一生まともな職には就けない

運転免許も更新できない

どこに行ったのだろうか

今はもう死んでるんじゃないかな